グリーンサンドとは
天然の資源は有限です。
そのため、自然環境に配慮し、限りある資源を大切にするだけでなく、それに代わる新たな材料を求めていく必要があります。
私たちの身近にある砂もその例外ではありません。今や砂は貴重な天然資源の一つ。世界は砂不足に瀕していると言われています。
当社の「グリーンサンド」は、フェロニッケルの製錬プロセスから生産される工業製品(フェロニッケル水砕スラグ)で、天然砂に代わる人工砂です。構成する成分はきわめて安定しており、自然界の岩石等に含有されている成分に限られています。そのクリーンな性質が高く評価され、これまでも港湾工事、土木工事、コンクリート・アスファルト用骨材等に幅広くご利用頂いています。
持続可能な社会の実現に向け、環境保全に役立つ素材として高い注目を浴びています。
なお、当社のグリーンサンドは2024年4月、宮崎県新技術等活用促進システムにおける「県産品」の登録を受けております。
製品の種類と物性値
スラグの粗粒率に合わせて「FM2.6」「FM3.2」「有姿品」の三種類をラインナップ。
お客様のニーズに応じて使い分け頂くことが可能です。
グリーンサンド土質試験結果例
試験方法 | 試験項目 | 有姿品 | FM2.6 | FM3.2 |
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地盤材料の工学的分類 | 分類名 | 礫質砂 (SG) | 砂 (S) | 礫まじり砂 (S-G) |
嵩比重 | 参考値 | 1.6 | 1.8 | 1.8 |
骨材の微粒分量 (JIS A 1103:2014) | 微粒分量(%) | 0.4 | 6.5 | 1.2 |
骨材の単位容積質量 (JIS A 1104:2019) | 単位容積質量 (kg/l) | 1.68 | 1.84 | 1.81 |
実績率(%) | 62.1 | 66.6 | 62.5 | |
湿潤飽和状態時の単位容積質量 | 単位容積質量 (kN/㎥) | ≧21 | - | - |
土粒子の密度試験 (JIS A 1202) | 土粒子の密度pS(g/cm3) | 3.027 | 3.018 | 2.995 |
土粒子の密度試験 (JIS A 1203) | 自然含水比(%) | 1.8 | 3.0 | 2.9 |
突き固めによる土の締固め試験 (JIS A 1210) | 試験方法 | A-b | A-b | A-b |
最大乾燥密度(g/cm3) | 1.813 | 1.863 | 1.813 | |
最適含水比 | 6.6 | 10.00 | 10.7 | |
内部摩擦角 | 内部摩擦角(φd°) | 31.9 | 34.1 | 33.7 |
土の透水係数 (JIS A 1218) | 透水係数(km/s) | 168E-03 | 529E-04 | 1.17E-03 |
細骨材の密度及び吸水率 (JIS A 1109:2020) | 絶乾密度(g/cm3) | 2.92 | 2.93 | 2.94 |
吸水率(%) | 1.05 | 1.01 | 0.88 | |
骨材の アルカリシリカ反応性試験 (JIS A 1146:2017、JIS A 5011-2:2016) | モルタルバー法 | 区分B | ||
骨材の アルカリシリカ反応性試験 (JIS A 1145) | 化学法 |
粒度曲線例
土壌溶出量試験結果例
項目 | 単位 | 測定値 | 基準値 |
カドミウム及びその化合物 | mg/L | <0.001 | ≦0.003 |
シアン化合物 | mg/L | 不検出 | 検出されないこと |
鉛及びその化合物 | mg/L | <0.005 | ≦0.01 |
六価クロム化合物 | mg/L | <0.005 | ≦0.05 |
砒素及びその化合物 | mg/L | <0.001 | ≦0.01 |
水銀及びその化合物 | mg/L | <0.0005 | ≦0.0005 |
セレン及びその化合物 | mg/L | <0.002 | ≦0.01 |
ふっ素及びその化合物 | mg/L | <0.1 | ≦0.8 |
ほう素及びその化合物 | mg/L | ≦0.02 | ≦1 |
- 環境省告示第18号にて溶出量試験を実施。
- 基準値 : 環境省告示第18号の「土壌溶出量基準」による。
- 測定値 : 「<:未満」は「定量下限値未満」を示す。
土壌含有量試験結果例
項目 | 単位 | 測定値 | 基準値 |
カドミウム及びその化合物 | mg/kg | <0.1 | ≦45 |
シアン化合物 | mg/kg | <0.1 | ≦50 |
鉛及びその化合物 | mg/kg | <0.5 | ≦150 |
六価クロム化合物 | mg/kg | <0.5 | ≦250 |
砒素及びその化合物 | mg/kg | <5 | ≦150 |
水銀及びその化合物 | mg/kg | <0.01 | ≦15 |
セレン及びその化合物 | mg/kg | <5 | ≦150 |
ふっ素及びその化合物 | mg/kg | 16 | ≦4,000 |
ほう素及びその化合物 | mg/kg | <10 | ≦4,000 |
- 環境省告示第19号にて含有量試験を実施。
- 基準値 : 環境省告示第19号の「土壌含有量基準」による。
- 測定値 : 「<:未満」は「定量下限値未満」を示す。
製造工程
用途例
① 土木用資材(埋戻材)
- 透水性が良く排水効果が高いほか、環境省告示第18号による溶出量試験結果より、水への溶出量基準を安定的に下回るため、天然資源同様に安全に使用することができます。
② 土木用資材(地盤改良材)
- 地盤改良材として、サンドコンパクション(SCP)工事やサンドマット工法の材料として活用頂けます。
- SCP工事の試験施工においても、通常砂と比べて杭間および杭芯N値は同等以上、内部摩擦角(せん断抵抗角)も砂杭と同等の性能を有しているとの結果を得ております。
③ 土木用資材(港湾工事用)
- ケーソン中詰め材として使用する場合、海水中での単位容積質量が大きいため経済的な設計に寄与し、ケーソン全体の安定性を良くします。
- 海洋汚染防止法に基づく溶出量試験では、全項目で基準値を下回っており、安全に使用することができます。
④ 舗装用資材(アスコン細骨材等)
- 角張った形状や高比重(高密度)により路面の耐磨耗性を高めることができます。
- 環境省告示第19号による含有量試験結果より、含有量基準を安定的に下回るため安全に使用することができます。
⑤ コンクリート用骨材(コンクリート二次製品他)
- 天然砂の代替品として安定した品質の細骨材を供給することができます。
- 塩分含有量はほとんどなく、コンクリート構造物への塩害による影響はありません。
※アルカリシリカ反応性試験における判定結果が「区分B:無害でない」に該当するため、当該反応が問題となるレディーミクストコンクリート用骨材として使用する際は「JIS A 5011-2 2016附属書D」に記載されている抑制対策を実施してください。
⑥ 鋳物砂原料
- 骨材特長や曲げ強度(N/㎠)、最大熱膨張率に優れており、山川産業株式会社製「サングリーン」の原料としてご使用いただいております。
⑦ ブラスト材原料
- ブラスト処理に適した硬度/形状を有し、重金属が含まれない安全な材料であることから、山川産業株式会社製「ネオブラスト」の原料としてご使用いただいております。
⑧ 肥料の製造用原料
- 稲作や畑作等における肥料成分(MgO、SiO2、FeO、CaO源)として使用されており、特にリン鉱石と配合することによって「ク溶性」に優れた肥料を製造することができます。南九州化学工業株式会社等のようりん肥料として、ご使用いただいております。
⑨ 鉄鋼・合金鉄製造の熔材
- 高炉操業における溶剤(スラグ成分調整用のMgO源)として、ドロマイト等の代替品として使用されております。
関連資料のダウンロード
以下はグリーンサンド関連のファイルになります。ダウンロードしてお使いください。